ECサイトの運営においては、売上の向上と合わせて重要となるのが集客です。
自社ECサイトを立ち上げたにもかかわらず、ユーザーの定着が思うように伸びないなど、自社ECの集客で悩むケースも多いことでしょう。
この記事では、自社ECサイトの集客方法や集客がうまくいかない際の対応策について解説します。
自社ECサイトとは?
自社ECサイトとは、商品を販売する単一の企業が独自に作成し運営しているECサイトのことを指します。自社ECサイトは、運営を自社だけで行うために、自社のブランドイメージの保護ができるほか、顧客は他社の手を介することなく、直接販売企業から商品を購入することができます。
現代の自社ECサイトとして著名となった成功事例としては、家具や生活用品を販売するニトリの「ニトリネット」や衣料品・生活雑貨を販売する良品企画の「無印良品ネットストア」、家電・PCを販売するヨドバシカメラの「ヨドバシ・ドット・コム」などが挙げられます。
自社ECサイトとモール型ECサイトの違いとは?
ECサイトには自社ECサイトのほかにモール型ECサイトと呼ばれる形態もあります。
自社ECサイトとモール型ECサイトの違いは、自社ECサイトが自社単一で運営されるECサイトであるのに対して、モール型ECサイトは複数の企業が同じECサイト上にオンラインで出店するという、文字通り「ショッピングモール」のような形式のECサイトです。
自社ECサイトとは異なり、モール型ECサイトは多様な企業が多様な商品を出品しているために、各店舗ではなくモールそのものを目指してアクセスするユーザーが多くなることが特徴であるといえます。
自社ECサイトの集客方法5つ
モール型ECサイトと異なり、自社ECサイトでは集客方法を工夫しなければユーザーを集めることは困難です。
以下には、自社ECサイトでの集客方法の具体例を解説します。
SEO施策による集客
ECサイトに限らず、Webサイトにおける集客方法としてもっとも普遍的な手段がSEO対策です。
現代のSEO対策はかつてのように、対象のページのキーワード出現率を高めるというだけでは足りません。関連するキーワード(共起語)や、Webサイトを訪れたユーザーの属性や検索意図、Webサイト自体の信頼性向上なども影響します。
ECサイトでの集客方法としてSEOを考える場合には、ユーザーが検索したキーワードに適切に応える商品サイトを用意することなどもSEO施策に含まれます。
コンテンツマーケティングによる集客
従来のECサイトは、その主目的である商品販売を達成するため、大半が商品ページで構成されていました。しかしながら、複数の企業がECサイトを展開している現代では、ユーザーが商品を選びやすいように商品やそれに関連する情報が掲載されていることが、ECサイトの集客に影響を与えます。
このような考え方のもと、魅力的な情報(コンテンツ)を作成して掲載しておくことで、ユーザーを集めるという手法が「コンテンツマーケティング」です。
消費者向けのコンテンツマーケティングの例としては、商品の使い勝手や使用方法、活用アイディアなどをまとめたコラム記事・動画などを商品ページに記載したり、それらをオウンドメディアとして掲載するなどの方法が採用されるケースがあります。
こうしたコンテンツは「商品販売のため」に特化しているものとは限らず、コラムとして読みやすく、動画として興味を引くものであることで、自社ECに対して強力な集客効果を生み出す可能性があります。
SEO施策とコンテンツマーケティングの違いは、SEO施策が検索エンジンからの流入を主目的とするのに対して、コンテンツマーケティングは自社EC内のコンテンツの価値を求めて訪れるユーザーの訪問を主目的とする点にあります。
広告による集客
実店舗における集客においても採用されるのが「広告による集客」という手法です。ECサイトの場合には、実店舗で採用される紙媒体の広告よりは、Webサイト上に表示されるWeb広告、動画サイトの再生時に表示される動画広告などが採用されるケースが多いといえます。
また、ユーザーが欲しいと思っているものを検索エンジンで検索した際に、検索結果欄に表示されるリスティング広告、あるいはその中の種類のひとつである検索連動型広告などが採用される例が多いでしょう。
広告を出稿することは、短い期間に大量のユーザーの目に触れる機会を得られるというメリットがあります。
しかしその一方で広告は多大な予算を必要とするケースが多く、商品単価や実際の集客効果を見極めながら広告の出稿規模、頻度や範囲を慎重に設定する必要があるなどの注意点があります。
SNSの活用による集客
消費者であるユーザーがインターネット上に興味関心を投稿する場であるSNSは、ECサイトを運営する企業にとって大きな活用の余地がある場です。
ECサイトを運営する企業のアカウントを開設し、商品の入荷状況や新商品の告知を行うことで、普段SNSを活用しているユーザーの目にそれらの情報が素早く届くことになります。
また、SNSではシェアやリポスト、ハッシュタグなどの機能により他のユーザーに投稿を広めることができるため、自社ECサイトを広く告知する意味でも有益といえます。
加えて、SNS上では、ユーザーがどのような商品を欲しがっているのかという生の声や、自社または他社のECサイトで実際に商品を購入したうえでの体験が投稿されるケースもあり、マーケティングにも活用できるというメリットもあります。
ファンマーケティングを活用した集客
自社ECサイトにおいては「同じ商品でも他のECサイトでは買わない」「このサイトで買いたい」と思ってくれる「ロイヤリティ」の高いユーザーがいることは大きな強みとなります。
ファンを獲得してそのファンがさらに好意的な口コミなどで他のユーザーを呼び込んでもらうという方法を「ファンマーケティング」と呼びます。
ファンを獲得する方法には、先に解説したSNSを活用してユーザーと直接コミュニケーションを取り好感を得る方法や、ユーザーの希望に沿ったキャンペーン・PRを行う、好感度が高い他企業の企画やキャラクターなどとのコラボレーションなど様々な方法があります。
また自社商品のこだわりや伝統などのアピールポイントを発信してファンを獲得するという方法は、ファンマーケティングとコンテンツマーケティングを組み合わせた集客方法といえるでしょう。
集客が上手くいかない時の解決策は?
上記のように、ECサイトには様々な集客の方法があります。しかしながら、そうした集客手法を使っても、うまく集客ができないというケースもあるでしょう。
そのような場合には集客戦略の見直しや、ECサイトそのものを見直す必要があるでしょう。以下には、集客がうまくいかない際の解決策の例を解説します。
サイト内コンテンツを充実させる
ECサイトにおいては商品の選択肢が多いことも魅力ですが、単に商品と価格だけが掲載されているサイトでは、ユーザーはその商品を購入する決め手に欠けてしまい、離脱してしまう危険性があります。
先に解説した「コンテンツマーケティング」の考え方にもあるように、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを充実させることで、それらのコンテンツを求めてユーザーが集まり、その中からECサイトの利用者も増加していくという影響を生み出せるケースがあります。
UI/UX改善によりサイトの使いやすさを向上させる
商品を数多く掲載し、コンテンツも充実させているなど様々な施策を行っているのにも関わらず、今ひとつ集客がうまくいかないという場合には、そもそもECサイトの内容そのものに問題があるケースがあります。
ECサイトとしては、ユーザーが商品の検索・比較検討・購入という一連の導線で迷わないことが重要です。
サイト内のUIやUXを改善することで、使いやすいECサイトとして生まれ変わり、集客につながる可能性があります。
競合他社の集客戦略を分析する
自社と同業界で成功しているECサイトがある場合には、そうした成功例に学ぶというのも良い手段です。
集客戦略としてのコンテンツの質や量、SNSの活用方法、UI・UXなど、自社との違いを比較し、取り入れるべき改善点を反映していくというプロセスによって、自社ECの集客戦略の改善につながる可能性があります。
まとめ
ECサイトにおいては、多くのユーザーに訪れてもらうことがほとんどの企業の共通の願いでしょう。
ECサイトにおける集客方法には様々な方法があり、また実施するタイミングや規模によっても効果には差が出る点にも注意が必要です。
「ECのプロ」では、自社ECサイトに対する診断・戦略設計のほか、集客・CVR改善、リピート改善など様々なパッケージを用意しています。自社ECの運営にお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。