【越境EC】Shopeeとは?特徴やメリット・デメリットを解説
Shopeeとは?東南アジアへの越境ECを実現しよう
東南アジア市場への進出は、多くの企業にとって魅力的な選択肢です。東南アジアのEC市場は、2025年には2021年の約2倍の規模になることが予想されており、物流市場も改善されているところです。しかし実際には言語や文化の違い、複雑な規制など、東南アジアへの越境EC展開には多くの課題があります。
その中でShopee(ショッピー)は、東南アジア最大のECプラットフォームとしてこれらの課題を解決し、スムーズな越境ECを実現できる可能性があります。この記事では、東南アジア市場攻略の鍵となるShopeeの特徴や、メリット・デメリットを紹介します。
Shopee(ショッピー)とは?
Shopeeとは、Sea Groupが2015年に設立したオンラインマーケットプレイスです。シンガポール発祥で、設立されて十年未満にもかかわらず、東南アジアを中心に高い人気を誇っています。
競合他社に比べ、ソーシャルメディア上でも非常に大規模な広告キャンペーンを展開しているのも特徴で、イタリアプロサッカーリーグ、セリアAのユベントスでFWを務めていた当時のクリスティアーノ・ロナウド選手や韓国の音楽グループ「BLACKPINK」といった有名人とのコラボレーションを行い、若い世代を中心に多くの注目を集めています。
もともとはC2C(Customer to Customer)サービスとして展開していましたが、現在はC2C、B2B向けのECモールに拡大し、東南アジア市場を牽引しています。
Shopeeの特徴
それでは、Shopeeには具体的にどのような特徴があるのか見ていきましょう。
少額から始められる
Shopeeの大きな特徴として、手数料の安さが挙げられます。出展費用、店舗維持費ともに無料で、販売手数料は売上総額の3%、決済手数料2%程度を合わせても5%前後です。
たとえばAmazonの場合、販売手数料は8〜15%程度、楽天の場合はスタンダードプランで2〜4.5%ですが、システム利用料や決済手数料などが別途必要となるため、Shopeeはこれらのショッピングモールと比較しても安価な傾向にあります。
充実した物流サービス
Shopeeは、Amazonのフルフィルメントサービスのように独自の物流サービスを持っており、物流網が未発達な地域でもスムーズな商品配送を実現しています。
多言語(日本語含む)対応
Shopeeの2020年の流通総額は354億USドルで、前年比232.8%と成長しています。日本でも2020年にShopee Japanが設立され、日本語にも対応できるようになりました。
Shopeeに出店するまでの流れ
Shopeeは個人・法人を問わず登録が可能で、CtoCの特徴を持ち合わせているため一品ずつ出品することも、複数商品を一括出品することもできます。販売事業者を「セラー」と呼んでおり、Shopeeでビジネスを始めるにはセラーアカウントを持ち、売りたい商品の専用プロフィールを作成する必要があります。
アカウント申請フォームに入力が完了すると招待メールが届くため、その案内に従って商品やカテゴリー、会社名などの詳細情報を入力して送信します。数日で審査が行われ、Shopeeから出店許可が出たらさらに手続きを進めましょう。
セラーアカウントにログインし、商品情報の登録、商品画像の挿入、配送料や決済方法など詳細な情報を設定していきます。信用情報として会社説明やブランドの紹介、発送にかかる時間などを丁寧に説明することが大切です。これで販売を開始できます。
決済については、外貨受取のPayoneer(ペイオニア)に対応しているので登録しましょう。ほかにも、出品禁止商品リストやペナルティシステム、配送に関する注意事項などがあるので、確認してから販売を行うことをおすすめします。
Shopeeのメリット・デメリット
ここでは、Shopeeで越境ECに取り組むメリット・デメリットを考えていきましょう。
メリット
越境ECのメリットは、現地に実店舗を置く必要がなく、店舗運営のハードルが低いという点です。
また東南アジアは、タイを除き2050年頃までに人口増加が見込まれている地域です。東南アジアはSNS利用時間がほかの地域と比べても長く、その中でShopeeの全体の月間アクティブユーザーは4億人を超えているともいわれています。
Shopeeは、日本からはシンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、台湾の5カ国に出店できます(新規出店時はタイ以外の4マーケットを選択可能)。日本での売上に限界を感じている事業者においては、販路拡大に大きく貢献できる可能性があります。
さらに日本では売り上げが伸びない商材も、東南アジアでは需要が高かったり、爆発的にヒットしたりすることも考えられます。ほかの国・地域で実績を上げると、商品が日本国内で注目され、国内での売り上げにつながるケースもあります。
国内市場の競争に苦しむ企業にとって、越境ECは新たな活路となっています。特に英語対応ができれば、多くの国・地域に販路を広げることができます。
デメリット
越境ECのデメリットは、海外への配送コストが国内よりも高くなることです。関税も追加されるほか、商品が到着するまで1〜2週間と時間がかかってしまうため、ユーザーが躊躇してしまう可能性もあります。
またShopeeでは、セラーとして登録すればすべての国に対応できるわけではなく、ターゲットとなる国や地域ごとに出店しなければなりません。複数の国や地域をターゲットにする場合は、「他市場アカウント申請」を行い複数のアカウントを管理する必要があります。英語で出品できれば、商品の出品内容は価格のみ現地通貨に変更するという方法もありますが、アカウントごとに在庫管理も手動で行う必要があり作業や手続きに手間がかかります。
さらに、現時点では米国などに比べると東南アジアは大きな市場とはいえません。たとえば、日本貿易振興機構(JETRO)の地域・分析レポート「想定より売れない東南アジア越境ECのなぜ」によると、EC市場が盛んな中国では2019年時点で5,880億ドル、ASEAN地域では6カ国合わせて140億ドルの市場規模となっています。そのため、出品しても商品によっては大きな売上につながらない、または売上が伸びるまでに時間がかかると考えられるでしょう。
さらに法規制なども国によって異なり、十分に理解したうえで対応しなければなりません。知識が不十分なまま事業を始めてしまうとトラブルの原因となるため、必ず詳細を確認してから行うようにしましょう。
まとめ
越境ECは文化や言語の違いなどもあり、進出を躊躇してしまったり、手続きが難しそうと感じてしまったりする事業者も少なくないでしょう。その中で、Shopeeは日本法人もあるため参入しやすく、東南アジア市場への販路拡大を目指す企業にとって、大きなチャンスとなるプラットフォームです。実際に越境ECを展開する際は、ターゲットとなる国や地域のニーズを分析することが重要です。越境ECを展開するための計画を策定し、物流手段や決済方法、外国語対応などを検討したうえで出品にチャレンジしてみましょう。
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