【ECサイトの重要顧客】ロイヤルカスタマーを育成するメリットやポイントを解説

2024-03-18

【ECサイトの重要顧客】ロイヤルカスタマーを育成するメリットやポイントを解説

ECサイトなどで商品やサービスを購入する顧客の中には、何度も繰り返し訪れて商品・サービスを利用してくれる「ロイヤルカスタマー」と呼ばれる存在があります。
通常の顧客と異なり、長期的・継続的に利用してくれるロイヤルカスタマーは、なぜ企業にとって重要なのでしょうか。また、顧客をロイヤルカスタマーに育成するためにはどのような施策が有効かについて、この記事で解説します。

ロイヤルカスタマーとは?

ロイヤルカスタマーとは、企業の商品・サービスや企業そのものに対して愛着を持っている顧客のことを指します。ロイヤルという言葉は、愛着の度合いを示す「ロイヤルティ(忠誠心)」が語源とされています。
このような言葉から判断すると、ロイヤルカスタマーとは、その企業で多くの金額を使う顧客のことを指しているかのように感じられるかもしれません。しかしながら、必ずしも高額商品を購入する顧客がロイヤルカスタマーと呼べるわけではありません。ロイヤルカスタマーとは、端的に言えば「その企業のファンである顧客」のことを指します。

ロイヤルカスタマーが重要視される背景

ロイヤルカスタマーは、企業が抱える顧客の中でも重要度が高い顧客であると位置づけられます。もちろん、企業にとっては自社の商品やサービスを利用してくれる顧客はすべてありがたい存在ですが、中でもロイヤルカスタマーにはさらに重要性が高い理由があるのです。ロイヤルカスタマーが企業にとって重要である理由について、以下に解説します。

人口減少による新規顧客獲得の難しさ

日本では、少子高齢化社会の影響が様々な分野で問題視されています。商品やサービスを提供する側の企業においても人手不足という形でその影響は現れていますが、商品・サービスの購入をする顧客についてもその影響は免れません。つまり、顧客となるユーザーが人口とともに減少しているのです。
商品やサービスを提供する企業としては、新たに自社の顧客となるユーザーは少なくなることを意味しています。ロイヤルカスタマーは、自分が支持する企業の商品・サービスを利用するだけではなく、リピーターとなって長期的に利用する、離脱が起こりにくいという特徴を持っている優良顧客です。このような点から、ロイヤルカスタマーが重要視されるのです。

ファーストパーティーデータ獲得の重要性

ECサイトでは、従来はユーザーの閲覧履歴に関するデータである「Cookie」を活用したマーケティング施策を行うことが主流でした。しかし2022年4月から、Cookieデータの利用に訪問者の同意が必要となったほか、Googleが提供するブラウザ「Google Chrome」では、2024年の半ばから段階的にサードパーティCookieを廃止することが進められる予定となっています。
このように、ユーザーのCookie情報が徐々に活用しづらくなっていく「クッキーレス時代」においては「自社が取得できるユーザーのデータ」、すなわち「ファーストパーティデータ」を活用するための取り組みが重要性を増しています。つまり、自社ECサイトでの会員情報や購入データなどの、顧客理解につながる情報です。このような情報を多く集めるためには、ユーザーに複数回の購入や自社ECサイトへの訪問をしてもらう必要があります。

顧客中心主義の高まり

ECサイトだけでなく、現代は様々なサービスにおいて顧客がサービスを適切に比較・検討して選定することが主流となっています。つまり、顧客自身にとって使いやすい、使いたいと思うサービスを顧客自身が選ぶシーンが多くなってきているのです。企業としては、顧客の需要・ニーズを満たすことに加え、「顧客体験(CX)」をいかに高めてロイヤルカスタマーに育成するかということを重視する必要があるのです。

ロイヤルカスタマーを育成するメリット

ここからは、ロイヤルカスタマーを育成することで企業にどのようなメリットがあるのかについて解説します。

安定的な売上・LTVを確保できる

ロイヤルカスタマーが単純なユーザー・カスタマーと区別されるのは、必ずしも一回あたりの購入金額が理由ではありません。ロイヤルカスタマーは自分が良いと判断した企業の商品・サービスを購入し続けるという特徴があります。そのため、ロイヤルカスタマーは何度も繰り返し自社で購入してくれる顧客であることがメリットとなります。
企業の売上を構成する要素として、「パレートの法則」という概念があります。これは「2:8の法則」とも呼ばれ、顧客全体のうち、会社の売上の8割は2割のロイヤルカスタマーが生み出しているという法則です。この「売上」は、顧客数と単価と頻度をかけ合わせた数字です。
つまり、高額な買い物を一度だけ行う顧客よりも、繰り返し購入をしてくれるロイヤルカスタマーのほうが、企業にとっては安定的な売上基盤となる存在だということを示しています。また、一人の顧客が何度も繰り返し自社で購入してくれることは、顧客ごとのLTV(ライフタイムバリュー・顧客生涯価値)を高めることにもつながります。LTVとは、顧客と取引を開始してから、取引が終了するまでの間にもたらす企業にとっての利益です。

新規顧客を呼び込んでくれる

ロイヤルカスタマーを育成することは、一人のロイヤルカスタマーが複数回の購入をしてくれることによって安定的な売上が確保できる以外にも重要なメリットがあります。それが「新規顧客を呼び込んでくれる」ことです。ロイヤルカスタマーは、自分の選んだ企業やその商品・サービスを気に入って利用し続けています。そのため、口コミやSNSで自分の周囲に商品の良さを発信してくれる可能性が高いのです。

フィードバックが受けられる

ロイヤルカスタマーは自社やその商品・サービスの良いところを知っており、それによって長く使い続けたいと考えてくれている顧客です。それ故に、企業に対して厳しい意見や率直な意見を言うこともできるのです。一回きりの購入・利用をするカスタマーの場合には、多くの場合商品やサービスに不満があれば、次は別の企業の商品やサービスに移行します。
しかし、ロイヤルカスタマーは別の企業の商品やサービスに乗り換えをしたくないからこそ、改善するべきポイントやフィードバックを企業に対して提示してくれる可能性が高いのです。このようなフィードバックを商品開発に反映したり、マーケティング戦略に取り込むことで、さらに顧客のロイヤリティを高めることができます。

ECサイトでロイヤルカスタマーを育成するポイント

企業にとって多くのメリットがあるロイヤルカスタマーの存在ですが、一般的な顧客・カスタマーからロイヤルカスタマーへ育成するためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。以下に具体的な方法やポイントについて解説します。

顧客とのつながり・コミュニケーションを増やす

顧客が企業に愛着を持つポイントとして代表的なのは、企業とのコミュニケーション・接触頻度です。従来ではダイレクトメールやメールマガジンが企業と顧客との主要な接点でしたが、現代ではSNSを使って顧客と直接コミュニケーションを図ることができます。
投稿のコメント欄、返信機能、DMなど、顧客の声を直接拾い上げたり、顧客に直接コンタクトを取ったりする方法を適切に活用することで、顧客からの愛着や信頼感を獲得することにつながるのです。

ロイヤルカスタマーならではの体験を提供する

ロイヤルカスタマーならではの体験を提供することも有効です。たとえば、何度も商品を購入している、商品購入額の累計が積み重なっている顧客だけに配布されるお得な情報やクーポンなどの活用はわかりやすい事例といえるでしょう。
愛着を持ち、使い続けてきたことによって、自分が企業にとって重要なロイヤルカスタマーであると感じられる体験は、さらに企業への信頼感・親近感を高める施策となります。

マーケティング施策によって顧客ロイヤリティを高める

顧客・カスタマーをロイヤルカスタマーに育成するためには、顧客分析を行い、適切なマーケティング施策を行う必要があります。具体的には、CRM(Customer Relationship Management)ツールや、MA(Marketing Automation)ツールの活用により、顧客属性や購買履歴などを確認し、顧客と企業との関係性を意識しながらビジネスを展開するなどの方法が考えられます。
MAツールはマーケティングの自動化・効率化を行うためのツールですが、顧客の数が多い場合にどの顧客がロイヤルカスタマーとなる見込みが強いかという分析や、顧客ロイヤリティに応じたプロモーションや情報発信を一括で実施する場合などに役立ちます。

まとめ

商品やサービスを提供する企業にとっては、いかに新規顧客を開拓するかという点を重視しがちです。しかし、ロイヤルカスタマーは、自社の商品やサービス、あるいは企業そのものに愛着を持ち、繰り返し長期間にわたって利用し続けてくれる存在です。

新規の顧客開拓ももちろん行う必要がありますが、すでに購入体験のある顧客をロイヤルカスタマーに育成する過程には、顧客の離脱を防ぎ長期的に安定した売上を確保するための重要なポイントがあるといえるでしょう。

ECのプロ」では、新規集客だけでなく、顧客のリピート率を向上させ、既存顧客の再訪問売上の課題を解決するパッケージなども展開しています。ロイヤルカスタマーの育成に課題を感じている企業・担当者の方は、お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら

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