自社ECに送客できる!LINEショッピングの特徴や利用方法、メリット・デメリットを解説
ECサイトを始めるには、モール型ECサイトに出店するか、自社ECサイトを構築するかの2つの方法があります。いずれのパターンであっても、自社の商品を多くの顧客に見てもらい、購入機会をつくるという点が重要であることは間違いありません。「LINEショッピング」は、日本国内に多くのユーザーを抱える「LINE」を経由するサービスであり、自社ECサイトに多くのユーザーを誘導できる可能性を秘めています。この記事では、LINEショッピングの特徴や利用方法、そしてメリット・デメリットについて解説します。
LINEショッピングとは
LINEショッピングは、コミュニケーションアプリLINEを経由するショッピングプラットフォームです。日本国内に多くのユーザーがいるLINEを経由しているため、LINEショッピングも多くのユーザーを獲得しています。
LINEヤフー株式会社によると、2023年9月時点で、LINEショッピングに出店しているショップは、ファッション・雑貨・スポーツ・インテリア・家電・コスメなど多くのジャンルにまたがる1,800ショップ、LINEショッピング公式アカウントの友だちは同時点で約4,700万人とされています。
LINEショッピングの特徴
LINEショッピングは、LINEを経由してショッピングができるプラットフォームの一種と位置づけられます。それでは、LINEを経由しているという以外には、どのような特徴があるサービスなのでしょうか。
販売元ECサイトへ送客するためのプラットフォームである
一般的なECサイトでは、モール型・自社型いずれの場合も、掲載・出品されている商品に対してユーザーが「購入」のアクションを行うと、そのまま決済処理へと移ります。一方のLINEショッピングは、掲載された商品をLINEショッピング上でそのまま決済する機能はなく、ユーザーが商品を選択すると販売元のECサイトへ移動します。つまり、LINEショッピングは販売元ECサイトに送客するための「入り口」であるという特徴があるのです。
画像検索・横断検索や比較ができる
LINEショッピングは、サイト内で完結する決済機能がないことを除くと、複数の店舗が商品を掲載しているモール型ECサイトと類似する部分があります。たとえば、LINEショッピング内で特定の商品を検索すると、さまざまなショップの商品が横断的に表示され、各ショップの商品を比較することができます。
また、画像解析技術を使った「ショッピングレンズ機能」では、商品名での検索ではなく、取り込んだ画像をもとにした商品の検索もできます。
LINEポイントの還元がある
ECサイトでは、購入額に応じてECサイト独自のポイントが還元されるというサービスを展開している例が多くあります。
LINEショッピングでは、販売元ECサイトのポイントに加えてLINEポイントが付与されます。ECサイト側でもポイントが付与される商品を選べば、1回の購入で2種類のポイントが付与されるケースがあるのです。ポイント付与の有無やポイント還元率はユーザーのECサイト選択に大きな影響を与える場合があるため、同じ商品であっても、あえてLINEショッピングを経由して購入するユーザーが少なくないでしょう。
LINEショッピングの利用方法と費用
ここからは、実際にLINEショッピングの利用方法や登録条件、費用について解説します。出店のための準備から、商品データを連携して掲載に至るまでには段階があるので、各段階で必要となる作業を事前に把握しておくとスムーズです。
LINEショッピングの出店事前準備
LINEショッピングに出店するためには、まずLINEショッピングへの掲載申し込みと事前審査を受ける必要があります。掲載申し込みと事前審査は「LINE Partners」のWebサイトにある「パートナーシップを提案」のフォームから行います。審査基準の詳細については公開されていませんが、必須となる登録条件は「自社のECサイトを持っていること」「LINEショッピング内のカテゴリーに該当する商品の取り扱いがあること」です。審査に通過すると、次にLINEが指定する計測パートナー(ASP)を選定する必要があります。LINEショッピングのプラットフォームを利用するための事前準備はこのような流れです。
商品データの連携準備
LINEショッピングに商品を出品・掲載する際には、まず自社ECサイトにて決済・配送システムなどを用意しておく必要があります。先にも触れたとおり、LINEショッピング自体は決済や配送の機能を持たないためです。決済システムやショッピングカートサービスは、単体でソリューション化されているものもあります。
また、ポイント還元に必要な情報を受け渡しするためのシステムも、この段階で準備する必要があります。自社ECサイトでこれらの決済・配送に関する機能とポイント還元の機能を整備したら、いよいよ商品データを掲載する段階に移行します。
商品データの掲載と掲載
自社ECサイトで決済・配送システムやポイント還元に関する機能を準備したあとは、いよいよ商品データの連携と掲載を行います。自社で保有している商品データをLINEショッピング側で受け入れられるフォーマットに変換し、LINEショッピングと連携します。連携が完了すると、商品のLINEショッピング内での掲載が開始されます。
LINEショッピングの利用費用
LINEショッピングを利用するには、まず月額費用として55,000円(税込)がかかります。また、月額費用とは別に、売上額に対して一定率の手数料が必要となります。手数料の額は「基本報酬率」として4%と定められていますが「定額での報酬」も応相談としています。
LINEショッピングのメリット・デメリット
LINEショッピングには、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは多くのユーザーにアプローチできるLINEショッピングならではのメリットとデメリットについて解説します。
LINEショッピングのメリット
LINEショッピングを使う最大のメリットは「LINEを利用している多くのユーザーに訴求できる」という点です。LINEアプリは日本において、およそ9,500万人の月間利用者数を誇ります(2023年3月時点)。
特定の年齢層や性別に偏らず、幅広いユーザーに利用されているアプリに商品を掲載できることは、自社の商品をより多くのユーザーに訴求するうえで魅力的なポイントです。また、LINEポイントが付与されることでユーザーの購買意欲を後押しすることもでき、イベントやキャンペーンによるポイント付与率によっては、新規ユーザーを取り込むチャンスがあるという点も見逃せないでしょう。公式LINE・メルマガの比較・使い分けのポイントについてはこちら
LINEショッピングのデメリット
一方で、LINEショッピングにはデメリットもあります。さまざまなショップが扱う同一商品を横断的に検索できるLINEショッピングの機能はユーザーにとって便利ですが、EC事業者側からすると、同じ商品はどうしても価格競争に陥りやすいというデメリットも抱えています。競合商品を扱う他社の動向に注意を払う必要があるでしょう。
また、売上ごとにかかる手数料のほかに、月額固定でかかる利用料もあります。ECサイトの売上がまだ大きくないという段階においては、月額利用料が大きな負担となる可能性も考慮する必要があります。
まとめ
この記事では、LINEショッピングの特徴や出店方法、そしてメリット・デメリットについて解説しました。国内に多くのユーザーを持つLINEショッピングは、それだけ多くのユーザーに自社ECで取り扱っている商品を認知してもらえ、購買機会を提供することができる魅力的なサービスです。しかし、月額利用料がかかる点や、価格競争に陥りやすい特徴はデメリットともいえます。
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