食品ECとは?成功のためのポイントを解説

2024-01-24

食品ECとは?成功のためのポイントを解説

多くの人がネットショップなどを利用するようになり、さまざまな業界でEC化が進む中、クリアが難しいいくつかの課題がある食品業界は、参入しにくいと指摘されています。一方で、食材・食品は消費するものとして需要がなくなることはないため、戦略によってはECでの販売を促進する可能性は十分にあります。

この記事では、食品ECとはどのようなビジネスか、その市場の現状と課題を正しく理解するとともに、どのような強みがあるのか、成功するためにどのようなことができるのかを考えていきましょう。

食品ECの3つのタイプ

食品ECとはオンラインで食品を販売し、自宅まで配送するサービスのことですが、その販売形態は大きく3種類に分けられます。

一般食品ECサイト

一般食品ECサイトとは、食品を扱う事業者がWeb上でショップを開設したり、Amazonや楽天市場といった大手ECモールに参加し自社ページで商品を販売する方法をいいます。

自社ECサイトには生産者や食品メーカーが直接顧客に販売するDtoC(Direct to Consumer)という形態もあります。カップヌードルやチキンラーメンが有名な日清食品やDtoCを日本でいち早く取り入れたチョコレート専門店Minimalが代表的な例で、産地直送のお取り寄せサイトなども該当します。

定期配送専門ECサイト

定期配送専門ECサイトは、設定された料金プランに沿って定期的に商品を配送するサブスクリプションサービスです。

購入者との長期的な関係を構築できるため安定的な収益につながりますが、継続販売しやすい独自の工夫が必要な事業でもあります。たとえばお米やサプリメントなど日常的に消費する商品に焦点を当てたり、地域の特産品、オーガニック食材など特化型の商品に絞り込むことで継続販売につながりやすくなります。大手食品メーカーのマルコメや清涼飲料水メーカーのダイドードリンコが展開しているECサイトでもサブスクリプションサービスを取り入れています。

ネットスーパー

ネットスーパーはスーパーマーケットがオンライン上で販売し、消費者の自宅へ配送する方法です。代表的なものにはイオンやイトーヨーカドー、楽天西友ネットスーパー、Amazonフレッシュなどがあります。

注文を受けると、最寄りの実店舗または物流センターからピッキングして自宅に届けるため、対応できるエリアには制限がありますが、24時間注文受け付け、日時指定、ポイント利用などそれぞれのスーパーで独自のサービスを展開しています。

食品ECが抱える課題

コロナ禍の外出自粛などにより、消費者のオンライン購入が進み、食品EC市場も年々拡大しています。経済産業省が発表した「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によると、「食品、飲料、酒類」のEC市場規模は2021年で2兆5,199億円、2022年は2兆7,505億円となっています。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」の2兆5,528億円(2022年)と比較しても、それを上回る大きな市場です。

一方EC比率を見てみると、2022年は「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」42.01%、「書籍、映像・音楽ソフト」52.16%、「生活雑貨、家具、インテリア」29.59%などに対し、「食品、飲料、酒類」は4.16%に留まっています。

大きな市場であるのに対しEC化率が伸び悩むのは、以下のような課題が考えられます。

消費者が実物を確認できない

食品ECは食材・食品を画像でしか確認できないため、判断しにくいという課題があります。食品に限らず、注文したものが「イメージと違った」という経験をした人もいるのではないでしょうか。肉や魚、野菜なども、最も重要となる鮮度、サイズや重量感などを手に取って確認してから購入したいと考える消費者は少なくありません。実物と画像のギャップをなくすためには、鮮度の良い食品と温度管理、配送システムなども含めた品質の信頼性を確保する必要があります。

事業者のコスト負担が大きい

食品ECは家具・家電などと比較すると、多くは商品単価や客単価が低く、一方で温度管理、冷蔵・冷凍での配送などが必要になるためランニングコストが高くなります。また扱う商品によっては、不作・不漁により入荷数や価格が変動し、収益が下がるリスクも考えられます。これらのことから、食品EC事業は収益につなげるのが難しいと懸念されています。

実店舗の利便性が高い

生活圏内にスーパーマーケットやコンビニエンスストアがあれば、手元に届くまでに時間がかかるECよりも利便性が高くなります。手に取って商品を選べるのも実店舗ならではの特徴であり、いつでも日々の食材をすぐに手に入れることができれば配送を待つ必要はありません。こうしたエリアではECならではの商品、または時間指定の配送など利便性を強く打ち出す事業であることが求められるでしょう。

食品ECの強み

課題を解決できれば、食品販売のEC化はメリットがあります。

その一つが「販路拡大」です。事業者にとって、これまでターゲットは地域住民のみであったものが、インターネットを使うことで全国を対象にできます。特に妊婦専用、季節限定グッズなどニッチな商品を扱っている場合は、より幅広く周知できます。

またECで24時間受け付け可能になれば「販売機会の創出」にもつながります。これまで営業時間に来店できなかった顧客にもアプローチできるからです。

さらに一つの商品に対して、詳細な情報を提供できるのも食品ECの魅力の一つといえます。店舗のPOPやパッケージでは表示できない生産者や作り手の思いなどを、記事として詳しく伝えることができます。また掲載する写真を多くすることで、商品の魅力がより伝わりやすくなります。ほかにもオーガニックや限定生産など、ECショップだからこそ手に入れられる独自性やこだわりを持つ商品を展開するのも有効な戦略です。

食品EC成功のためのポイント

食品ECを成功させるためには、商品一つ一つの魅力が伝わることが最も重要ですが、ほかにも押さえておきたいポイントがいくつかあります。

利用しやすいサイトを作る

ECサイトはデザイン性はもちろん、見やすく、使いやすいものを常に意識しましょう。商品への興味・関心を引き、購入に至るまでのプロセスを最小限に抑えて手軽に注文できる、配送できる仕組みを作ることが大切です。

サービスを付帯する

気に入った商品があっても、値段に対してスペックに疑問があると購入に踏み切れないケースがあります。購買行動を促すために「お試しセットを用意する」「一定額以上の支払で送料無料またはプレゼントの特典をつける」「ポイントを付与する」といったサービスを考慮するのも効果的な方法です。また定期購入サービスを設けて、リピーターを獲得するといった施策も考えられます。

SNSを活用する

SNSは顧客との接点を作る意味でも重要なチャネルです。SNSで商品のプロモーションをする、レシピやアレンジなどを紹介、ユーザーに写真投稿の応募を募るなどさまざまな販促活動を行えます。商品情報が拡散されれば新しい顧客獲得につながるでしょう。

まとめ

食品ECは安定して供給できる物流システムを整える必要があるため難しいとされる反面、市場規模は大きくEC化を進めることで利益につながる可能性を秘めています。食品EC事業の開設を検討されている方は、食品や内容によっては保健所への相談や手続きなど、ほかの物販とは異なる手順があるので注意しましょう。

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