はじめに
皆さんこんにちは!ECタイムズのみなつです。
私事ですが最近、髪の毛を青くしました(急)。「なんで青にしたの!?」と会う人会う人に質問されるのですが、私が髪の毛を青にするまでには、およそ5年前まで遡る、皆様の想像を絶する壮大なストーリーがあるのです……。
ですが、その壮大なストーリーをメディアで皆様に伝え切るには、非常に難しさを感じます。
日々ECサイト運営で奮闘されている皆様も、自社製品のストーリーをサイト上でうまく説明できないと困った経験はございませんか?
他商品と差別化するため、製品にまつわるストーリーを紹介したい!ファンになってもらってリピーターを増やしたい!でも、どうしたらいいのかわからないってことが多い……そんな皆様の心の声が、私の耳まで届いております。
今日は、そんなECサイトに商品のストーリーを充実させ、リピーターを増やした、「世界の文化が一堂に会する世界の東の果てのバザール」がコンセプトのFAR EAST様をご紹介します!
株式会社 FAR EAST
FAR EAST株式会社は、元々は貿易会社としてスタートした会社です。
2006年からは、オアシスで古くから食べられている乾燥果実の販売を開始。さらに、世界中の文化に根付いたものをただ運ぶだけでなく、異国の地を訪れ、驚き、感動したことやワクワクした感覚も一緒に伝えたいと、2011年からは、直営店FAR EAST BAZAARの店舗展開を始め、2012年にはジェラート製造、2014年にはベーカリーを開き、世界の菓子、世界のパンを製造している、独自のコンセプトを軸に事業を展開されています。
また、2017年には埼玉県飯能市にて、飯能河原の渓谷にそびえ立つ、ブルワリー併設の地中海アラビア料理レストラン、「CARVAAN BREWERY & RESTAURANT」を開始。世界各地の食材や文化を扱う中で、アラビアの文化をもっと深くより身近に感じ、楽しんでもらいたいとはじまったレストランです。FAR EAST BAZAAR、そしてCARVAANの2つの大きな事業でお客様を楽しませている会社です。
実は渋谷に店舗も構えていらっしゃり、ECタイムズ編集部のディレクターも実際に店舗に行ってジェラートを楽しませてもらっています!
見るからに美味しそう……!!どんなお話が聞けるのか、楽しみですね!
本日は、そんなFAR EASTのオンラインショップ(FAR EAST BAZAAR/CARVAAN)運営責任者 宿谷さん、阿部さんにお話をお伺いしてきました!
それでは早速、インタビューの始まり始まり〜
会社ならでは!こだわりの世界観でファンに愛されるブランドに
独自のコンセプトを軸に事業を展開
ー宿谷さん、阿部さん 本日はよろしくお願いいたします!
宿谷&阿部:よろしくお願いします。
ーまずは、どういった事業をやってらっしゃるのか簡単にご説明いただけますか?
宿谷:弊社の名前は「FAR EAST」です。名前の通り、事業を行っているこの日本を「東の果ての地」と例えて、世界中から価値のあるもの、文化に根付いたものを運んでくる、というコンセプトで世界各地の商品を輸入し販売しています。
事業としては、「FAR EAST BAZAAR」という小売やカフェ店舗を運営している事業体と、レストラン業態を運営しているCARVAANという事業体があります。
ーとてもユニークで素敵なコンセプトですよね!
体験価値を重視し、世界観の統一を徹底
ー新宿のルミネのところにもバザールのお店ありますよね!最近気になってて入りたいなと思ってたんです!!
宿谷:ありがとうございます!
ーお店も世界観が統一されていて素敵だな、と思っていたのですが、何かこだわっているポイントなどはありますか?
宿谷:「体験価値」というものを弊社はとても大事にしています。美味しいものは当然、美味しい。私たちはさらに、どこで食べるか、誰から買うか、というところを大事にしています。そのためお店でも、現地から輸入してくるアンティーク調のお皿を使うなど、世界観を崩さないもので統一しているんです。お客様にその世界観の中でちゃんといいものを味わっていただく、というところを徹底しています。
ECではギフト販売に注力
ー実店舗に並んでいる商品と比較してECサイトの方は、友人や家族にプレゼントしたくなるようなものが多いですよね。実店舗とECサイトで違いを出されているんですか?
宿谷:実店舗だと、すぐに買ってそこで食べる方が多いのですが、ECだとギフト向けが半分ぐらいです。
扱う商品の傾向に違いはありますが、実はECの入り口も店舗なんですよ。
店舗で自分で食べてみて、美味しいと感じたものを大切な人や、お世話になってる人にあげたい、という思いに繋がり、ECで購入される方が多くいらっしゃいます。
その商品をギフトとして受け取った全国各地のお客様が、私達の商品をまた他の誰かに伝えてくれる、というサイクルが生まれているんです。
ー店舗とECでシナジーを生むことができているんですね!素晴らしいです!
宿谷:例えば、ECサイトでは、自分の家族向けのギフトをセットで購入する方が多いですね。店舗だとまとめて購入した際に家まで持って帰るのが大変なのですが、ECだと家まで配達されるので、まとめて買われる方が多いという印象です。
そのため、まとめて買うときに買いやすい商品パッケージを考えたり、セット商品はセットであることの魅力をちゃんと伝えたりという点を意識しています。
ー店舗も持っているEC事業者の皆様にとって、とても参考になりそうです!
立ちはだかるECの壁……打破するきっかけはプロとの出会い
EC立ち上げのきっかけと困難
ーECを立ち上げられた当初の困難についてもお伺いしたいです!
阿部:私たちの店舗は多くの皆様に愛されているのですが、これまでは口コミで集客を行っていました。
恥ずかしながら、コロナになって慌ててSNS頑張ったくらいで、ITにはなかなか疎かったんです……。
ECを立ち上げたのは良いものの、運営していくなかで、店舗で行っているようなストーリーの表現をどうオンラインで行えば良いのかが分からず、もっとお客様に商品のストーリーとか背景を伝えたいという思いがあったんです。
そもそも、そういった私たちが拘っているストーリーについても、店舗よりECの方が写真や文章を通して伝わりやすいのでは?という意図があったはずなのに、なかなかコンテンツの強化ができなかったんです。
ーそのような意図が立ち上げのきっかけだったんですね!
阿部:でも実際には、そんなに上手くは行きませんでした。最初はYahoo!ショッピングとかやってみたんですけどこの売り方ではブランドストーリーを伝えられないなと思ってやめました。
次に自社でECサイトを構築してやろうとしたんですけれども、他の事業体の業務もある中でEC事業になかなか時間を割けないという事態に陥りました。
中小企業あるあるですね。
自分たちで始めてみたのは良いものの、5年くらいの間なんとなく片手間で続けている、という状態になってしまっていたんです。
コロナ禍でECを強化、「ECのプロ」を利用
ーECサイト自体は5年ぐらい前からオープンされていたんですね!
阿部:コロナをきっかけに注力していくなかで片手間では難しくなってきた、と。
5年前に始めたとき、見よう見まねで。どうしてもデザイン等で時間を使ってしまい、他の運営業務はたまにやるみたいな感じでなかなか力が入らなかったんです。
実店舗でのマーケティングとブランディングっていうのは、比較的しっかりしてる組織なんですが、ECでどうやっていくかは、あまりイメージがありませんでした。
そんな時に「ECのプロ」を見つけて、KOさんというプロの方に出会いました。
ーそうだったんですね、見つけてくださってありがとうございます!
熱意と経験が決め手になってKOさんと契約
ートータル的にサポートやアドバイスをしてくれるような存在を
探していらっしゃったということですね。そんな中で、KOさんのここが良いなと思ったポイントをこっそり教えてください!
宿谷:ECのプロさんからご紹介していただきまして、実際に面談のお時間をいただきました。
KOさんの柔らかい・穏やかな感じが、好印象でした。
「誰とやるか」はとっても大事だと思っていたので。
KOさんは数字に強く、かつ一方でエモーショナルな部分も強くて、人の心を理解しながら、お客様にどう届けるかというのをお客様の目線で考える方です。
もちろんECの知見があって、ECの新しい販促サービスにもとても詳しい方です。
私たちは、ブランドの世界観を伝えるためにECが存在してると思っているので、ただ商品並べて売りますね、というスタンスではないんです。そういった、ちょっと暑苦しい話も真剣に耳を傾けてくださるのはありがたいです。
ーこんなすごい評価が聞けるとは……!もう初回の顔合わせで、この人にお願いしようみたいな流れになってくださったってことですね。
ファンを逃さないECの新たな体験価値を追求
メールマガジン・HPの改善
ー御社のホームページやECサイトを拝見すると、商品のストーリーがすごく見やすいですよね。
「誰から、どのような会社から買う」みたいな商品の裏側のストーリーをもっと伝えていかないといけないと思っています。
KOさんも、ストーリーをすごく大事にされる方です。ご自身でいろいろなサイトを見ているので、例えば「ここの会社のサイトのこのコンテンツの作り方めっちゃいいですよ!」など、頻繁にご意見をいただきます。
ストーリーを大切にしたHP改善が、お客様のファン化に繋がっているのかもしれません。
ー他にもそういった、ファンを作るために成功した施策はありますか?
宿谷:メルマガが一番インパクトが大きかったかもしれないですね。メルマガを配信し始めてまさにリピーターが増えました。メルマガを配信する前は、月の売上に占めるリピーターさんの割合は30%ぐらいだったんですけど、メルマガを始めてからそれが50%になりました。
ー20%の増加幅はすごいですね!
ユーザーインタビューがEC改善の基盤に
ーそういった改善の基盤には、いったい何があるんでしょうか?
宿谷:KOさんに「ユーザーインタビューをやりましょう」と提案を受け、実行したことが大きかったですね。お客様が何を求めているのかは、お客様に聴くのが一番早い、ということで提案を受けました。
ーユーザーインタビューですか!大変じゃなかったですか?
宿谷:正直、最初は「インタビューやるの?」って思ったんです。でもKOさんから、「全ての施策の効果に跳ね返ってくる」と話されていて。まず、お客様を理解するためにインタビューをすることになりました。
KOさんからは、ECを使う人達がどういう商品を選んでいるのか、どういう用途で使っているのか、理解した上で、ページの構成とか商品開発などに生かしていくことが大事だと教えていただきました。最初は地道な作業と思っていましたが、結局そういう地道なことが一番大事なんだと学ばせていただきました。
ーお客様目線を大事にされてる方なんですね、KOさん。ユーザーインタビューを通して、新しい発見はありましたか?
宿谷:例えば、ドライフルーツとかベーツを何回もリピートして買ってくださるお客様の根本原因をしっかり把握できていなかったということがありました。以前は、「美味しいから」とか、「珍しい産地だから」お客様に選ばれているんだろうと思っていたのですが、インタビューしてみた結果、「砂糖不使用で体に良い」「農薬なども使わず安心安全」などの「体にいいのを取り入れたい意欲」がかなりお客様の中で強かったからだ、ということが分かりました。
やっぱりご自身に体調の不良がある方や、健康を気遣いたい方、家族の健康を気遣いたい方に、私達の素材そのものを選んでいただいてる、ということが明らかになりました。
そして、元々こだわっていた「商品のストーリー」も大事ですが、この商品を食べるとどんな効果が現れるのか、どんなメリットがあるのかをちゃんと伝えてあげる、というように商品ページを改善していくという施策に落とし込む検討ができました。
地道な努力が功を奏して、月ベースの注文件数に対するリピーター率も元々20%だったものから50%になりました。
今後は実店舗と連携し、包括的なエンターテイメントに
ーそれでは最後に、今後目指していきたいビジョンを教えてください!
宿谷:ECだけで完結しなくても良いので、提供できる体験価値をどこまで高めていけるかチャレンジしていきたいと思っています。私達の強みは実店舗があるというところなので、例えば、ECで購入したお客様が、実店舗に行って楽しい体験やECでのを充実させた商品を買うというように、1回の商品購入で終わらずにより長くお客様に体験価値を提供することを目指していきたいです。包括的にお客様にエンターテインできるような事業を目指していきます!
ー素敵ですね!今後もFAR EASTさんから目が離せません!
おわりに
いかがでしたか?
今回はFAR EAST様にインタビューをさせてもらいました。
顧客の体験価値から、ストーリーを仕立てファンを作り、リピーター率を向上する。
口でいうのは簡単ですが、その実現にはユーザーインタビューやメルマガの実施など、地道な活動の積み重ねが多くあったんですね。売上向上やブランドの価値向上を実現するECサイトへの成長には、やはりチームの商品への愛情と努力が貢献するということを示した素敵なインタビューでした!
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