ソーシャルコマースはECとどう違う?種類やメリット・デメリットを解説

2024-08-02

ソーシャルコマースはECとどう違う?種類やメリット・デメリットを解説

SNS活用の新境地、ソーシャルコマースとは

ECサイトでの集客のために、SNSを活用している企業は珍しくありません。SNSを利用しているユーザーに向け、ECサイトを運営している企業は自社のECサイトに掲載している商品の告知や入荷情報などを掲載するという方法で、SNSを活用してきました。しかし、SNSはECサイトへの集客・誘導だけではなく、集客から購入までの流れを実現できるツールになりつつあります。この記事では、ソーシャルコマースとECの違い、ソーシャルコマースの種類やメリット・デメリットについて解説します。

ソーシャルコマースとは?

ソーシャルコマースとは、SNSとEC(ソーシャルメディアとEコマース)を組み合わせて商品の販売や販売促進を行うことを意味する言葉です。ECサイトを運営する企業が、商品の画像や説明文を自社ECサイトのURLとともに投稿するという手法自体は、従来から行われてきました。しかし、この方法はあくまでECサイトへの「誘導」を目的としています。ソーシャルコマースは、ECサイトへの誘導ではなく、SNSに「ショップ機能」や「商品タグ機能」を搭載して、SNSを本格的な販売チャネルとして活用するということを意味します。

ソーシャルコマースとECの違い

ソーシャルコマースとECとの最大の違いは、SNSの活用方法にあるといえます。ECサイトがSNSを活用する際には、最終的に自社が運営するECサイトにSNSのユーザーを誘導するための「ECサイトの集客ツール」として活用します。一方、ソーシャルコマースとしてSNSを活用する際には、SNSのユーザーがSNS内で商品の購入まで完結できるため、集客から販売までを行うために活用されています。

ソーシャルコマースの事例

ソーシャルコマースは、世界的に市場規模が拡大していることもあり、様々なプラットフォームで採用事例が増えつつあります。日本にもユーザーが多い「Instagram」では、商品紹介の投稿に対してショップタグや商品タグなどを配置し、決済機能を搭載したソーシャルコマースとしての機能が海外で実装されています。若い世代に人気を集めている「TikTok」は、中国をはじめとした一部の国でショップ機能が実装されており、「ライブコマース」を通じて商品が購入できるという形でソーシャルコマースが展開されています。

このほか、海外の一部企業限定であるなど制限はあるものの、FacebookやX(旧Twitter)など代表的なソーシャルプラットフォームでソーシャルコマースの実現が模索されている状態であるといえるでしょう。

ソーシャルコマースの種類

ソーシャルコマースは、使用するプラットフォームの違いや売り手と買い手との関係によって、さまざまな種類に分類されます。以下に、代表的なソーシャルコマースの種類を解説します。

SNS・ソーシャルメディア型

ソーシャルコマースの代表的な形のひとつが「SNS・ソーシャルメディア型」に分類されます。FacebookやInstagram、PinterestなどがSNS・ソーシャルメディア型に分類されます。ソーシャルメディア(SNS)をプラットフォームとして商品の売買が行われることを特徴としています。

ユーザー参加型

ユーザー参加型ソーシャルコマースは、クラウドファンディングなどが代表的です。ユーザーが商品への投資や企画という、本来は売り手側が担ってきた分野にも参加するという形式です。アメリカ発のクラウドファンディングである「Kickstarter」などが代表的です。

グループ購入型

「共同購入クーポン」を活用して、指定されたユーザー数を満たすことでクーポンなどの割引を受けることができるサービスが「グループ購入型」です。中国でのソーシャルコマースの代表的な方法のひとつで、中国の低価格EC「Pinduoduo(拼多多)」や、「Temu(ティームー)」などが代表的なグループ購入型のソーシャルコマースです。

レコメンド・ユーザーキュレーション型

商品の評判やレビュー、口コミを参考として商品が購入されるソーシャルコマースが「レコメンド型」や「ユーザーキュレーション型」と呼ばれる形式です。ユーザーの口コミ投稿やSNS上でのレビュー拡散が重視される「レコメンド型」の代表的なサイトがAmazonです。また、ユーザーが作成した「ショッピングリスト」の中から商品を購入するという方法を採用する「ユーザーキュレーション型」の代表的なサイトでは「Fancy」や「Lyst」などが挙げられます。

C2C型

消費者であるユーザー同士が、SNSを利用して商品の売買を行うのが「Consumer to Consumer」の略である「C2C型」です。日本のECユーザーにも馴染み深い「メルカリ」や、「Amazon Market Place」などがC2C型の代表的な事例です。

ソーシャルコマースのメリット・デメリット

ECサイトの運営とは異なる目的でSNSを活用するソーシャルコマースは、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下に、ソーシャルコマースが秘めているメリットとデメリットについて具体的に解説しています。

ソーシャルコマースのメリット:離脱が起こりにくい

ECサイトの運営において、売上達成の障害となるのが「離脱率」や「カゴ落ち」です。ECサイトでは、ユーザーが商品をカート(カゴ)に入れるところでストップ・離脱してしまい、購入に至らないというケースが多くあります。ソーシャルコマースは、SNSの投稿の閲覧からそのまま決済まで済ませられるというスピード感があり、これによってユーザーの離脱率を下げる効果が期待できます。

ソーシャルコマースのメリット:ユーザーを囲い込みやすい

ソーシャルコマースにおいては、SNSのフォロワーがそのまま自社の顧客となってくれるという特徴があります。ECサイトの運営では、新商品の入荷やセール情報などをユーザーに届けるために、Lineアカウントやメールマガジン、広告出稿などさまざまな手段を講じる必要がありますが、ソーシャルコマースではユーザーがSNSのフォロワーとなってくれているため、SNSへの投稿がそのままユーザーへの情報提供となります。ユーザーの囲い込みに成功すれば、リピーターとして再び自社の商品を購入してくれる機会も増えることが期待できます。

ソーシャルコマースのデメリット:SNSへの投稿にかかる作業が増える

商品掲載ページの更新が主な作業となるECサイトと比較すると、ソーシャルコマースではSNSへの投稿1件1件が、すべて商品の売上に直結するものとなります。そのため、ソーシャルコマースでは定期的に、頻繁にSNSの情報を更新する必要があります。

しかし、頻繁なSNSの更新は「とにかく更新すればよい」というものではなく、ECサイトにおける商品ページのように、クォリティの高い写真・動画、ユーザーに訴求できる文章などを投稿する必要があります。このような点は、ECサイトが一般的に活用するSNSの投稿と比較して、作業量が増えることを意味しています。

ソーシャルコマースのデメリット:アカウントの育成に時間を要する

ソーシャルコマースでは、SNSでのフォロワーとなってもらい、ユーザーに認知してもらうことがそのまま顧客を増やすこととなります。そのため、アカウントを開設してすぐに大量にフォロワー・ユーザーの獲得を実現することは難しいでしょう。フォロワーやユーザーの獲得、売上の向上には、アカウントを地道に育成するための時間が必要となります。

まとめ

SNSの発展は、ECサイトにとって情報発信の選択肢を増やすものとなりました。そして近年では、SNSが単なる情報発信にとどまらず、ユーザーが実際に購買行動を行う場となりつつあります。この記事では代表的なソーシャルコマースの形式や、ソーシャルコマースのメリット・デメリットなどについても解説を行いました。ECサイトの運営において、SNSの活用を今後活発化させていきたいと考えているEC事業者の方、担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ECのプロ」では、新規集客やリピート獲得のためのSNS活用の支援を通じた自社ECのグロース支援などのパッケージもご提案しています。ソーシャルコマース構築を見越したSNSの活用や、集客・リピート獲得に取り組みたいEC事業者の方、担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら

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