D2Cの広告とは?従来の広告との戦略の違いや効果的なSNS媒体などを解説

2024-03-05

D2Cの広告とは?従来の広告との戦略の違いや効果的なSNS媒体などを解説

従来型のビジネスモデルには、B2BやB2Cなどがあります。昨今では、それらとは異なる「D2C」と呼ばれるビジネスモデルが注目を集めています。この記事では、D2Cビジネスモデルとはどのようなものであるのか、そしてD2Cビジネスモデルにおける広告運用はどのような点に注意するべきかについて解説します。

そもそもD2Cとは?

D2Cとはビジネスモデルの一種で、「Direct to Consumer」の略です。具体的には、メーカーが中間業者を介さずに直接消費者に対して販売をする形態のことを指します。似た用語に「B2C」があり、これは「Business to Consumer」を指します。B2Cは企業と一般消費者との取引全般を指すものであり、D2Cを包含する概念ですが、一般的なB2Cのビジネスモデルでは、卸売業者・小売店などの中間業者が介在します。

中間業者を介する場合、販路の拡大や商品の認知度向上などに強みがあるものの、どうしてもコストがかかってしまいます。一方のD2Cでは、中間業者を介さないことで流通コストを抑えやすく、また消費者のニッチなニーズを満たせるような商品を小ロットで生産・販売ができます。つまり、消費者とのダイレクトな関係を構築しやすいというメリットがあるのです。その反面、D2Cは従来のB2Cのビジネスモデルとは異なる方法での広告戦略が必要となります。

D2C広告と従来の広告の戦略の違い

広告は、商品やサービスを提供する企業にとって、自社の商品・サービスを広く認知させるうえで重要な取り組みです。しかしながら、広告の手法は一通りではありません。D2Cのビジネスモデルでは、B2Cのビジネスモデルとは異なる広告戦略を立案する必要があります。

マス向けより個人向けの広告戦略が必要となる

従来、商品やサービスの周知には、主に「マス向け」と呼ばれる広告が利用されてきました。マス向けの広告においては、一人でも多くの消費者に商品やサービスを認知してもらうことが重要であり、その目的を達成するためには検索エンジンに対するリスティング広告の出稿や、広く人の目に触れる媒体に対する広告掲載が有効でした。一方、D2Cにおいては、マス向けではなく個人向けの広告に重きを置く広告戦略が有効といえます。この背景には、個人のニッチな需要にダイレクトに商品やサービスを提供するというD2Cビジネスの特徴があるといえます。
個人向けの広告というのは、消費者個々人の居住地域、性別、興味関心といった属性データを基礎として最適な広告を配信するということです。一見すると、こうした細かな指定のある広告手法はコストがかかりそうに思えますが、実際にはターゲットが細かく指定されることにより、従来の広告よりも費用対効果を高められる可能性があります。そのために重要となるのが、消費者の綿密なデータ分析です。

より密な消費者とのコミュニケーションが必要になる

B2Cのビジネスモデルを展開する企業・業界においては、自社対多数の消費者という「一対多」のコミュニケーションが主なものでした。このようなコミュニケーションでは、情報発信はどうしても一方的なものとならざるを得ません。消費者の意見や提案を懸命に抽出しようとしても限界があり、消費者の属性分析も大まかなものとなってしまう傾向にありました。その点、D2Cのビジネスモデルにおいては、消費者一人ひとりとのコミュニケーションが重要となり、それぞれの「個人像」がより明確になります。SNSやECサイト上でのメッセージのやりとり、またはコメントやアンケートなどで消費者の動向やニーズをつぶさに把握し、それに応える商品・サービスの展開を行うことが、D2Cビジネスモデルにおいては重要となるのです。

商品だけでなくUX(顧客体験)も重要となる

D2Cビジネスモデルにおいては、UX(顧客体験)も重要です。従来のB2Cビジネスモデルにおいては、消費者は商品・サービスという「結果」を求めてきたのに対して、D2Cビジネスモデルを展開するブランドを利用する消費者は、商品やサービスだけではなく、どのような「体験」をすることができるかという点を重視しているためです。たとえば商品であれば、価格やスペック、耐久性など、従来の商品で重視されてきた要素だけでは、顧客体験には結びつきづらいといえるでしょう。

D2Cビジネスモデルにおいては、企業がどのようなコンセプトでその商品を展開しているのか、その商品を通じて表現される世界観やストーリーはどのようなものであるのかを発信し、顧客がそれに共感・納得することで購入・利用につながる、という考え方の転換が必要です。ブランドストーリーや理念経営といった、従来の企業においては必ずしも直接的な利益につながらなかった部分こそが、D2Cビジネスモデルにおいては重視されると認識しましょう。

D2Cで活用できる広告の種類

従来のB2Cビジネスモデルと比較して、消費者との距離がより近く、双方向的なコミュニケーションが必要となるD2Cビジネスモデルにおいては、どのような種類の広告が活用できるのでしょうか。

リマーケティング広告・リターゲティング広告

リマーケティング広告とは、過去に自社サイトにアクセスした消費者に対して表示する広告です。一度購入した商品や、過去に閲覧した商品が表示されるECサイトの機能を使い、購入に結びつく可能性の高い見込み客に対して再度のアプローチをすることができるため、コンバージョンにつなげやすい広告の種類であるといえます。

動画広告

Youtubeなどの動画共有・投稿サイト内に動画として配信できる広告は、D2Cビジネスモデルにとって活用しやすい広告の種類です。従来型のいわゆるバナー型広告・ディスプレイ広告では、表示領域に限りがあり、伝えられる情報量も当然限界がありました。情報量が少なければ、消費者・ユーザーに対して世界観やストーリーを説明しきることは難しいでしょう。一方の動画広告では、限られた領域や時間であっても伝えられる情報量が多いため、消費者・ユーザーの共感や情緒的価値を創出しやすく、D2Cビジネスモデルによりマッチした広告出稿となりやすいのです。

SNS広告

D2Cビジネスモデルにおいて、とりわけ重要視されるのがSNS広告です。SNSはユーザーである消費者との距離感が近く、アンケートや返信機能を使って直接双方向のコミュニケーションを行うことができる場でもあります。SNS広告は媒体ごとに特徴や得意分野、ユーザー層が異なるため、それぞれの媒体に合ったSNS広告のパターンを準備することで、広告効果をより高めることができるでしょう。

D2C広告が効果的なSNS媒体

現代では、SNSは多くの種類があり、一人のユーザーが複数のSNSを利用しているケースもあります。その理由として、SNSにはそれぞれ異なるコンセプトや用途があるため、それに基づくビジュアルや操作感、アルゴリズムにも違いがある点が挙げられます。この違いは、広告運用においても把握しておくべきものといえるでしょう。以下に、D2C広告が効果的であるSNS媒体と、それぞれの特徴について解説します。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、元々文字数を制限し、「一言つぶやく」という趣旨で開始された「ミニブログ」という位置づけでした。現在のXは長文の投稿もでき、写真や動画など、さまざまな投稿が可能です。リアルタイム性が高く、トレンドキーワードなど、ユーザーが関心を持っている内容がわかりやすく表示されていることが特徴であり、またフォロワーを多く抱える「インフルエンサー」も多くいます。D2C広告を運用するうえで一度は検討するべきSNSといえるでしょう。

Instagram

若い世代を中心に人気があり、画像や動画を中心とした投稿形式を採用しているのがInstagramです。見栄えのよい画像や動画が一覧で表示されるほか、ハッシュタグによって共通の話題を見つけやすい、華やかな写真やトレンド感のある投稿が支持されやすいなどの特徴があることから、D2C広告と相性の良いSNS媒体です。

Facebook

実名での利用が多く、ビジネスパーソンや公共機関などもアカウントを持っていることが多いのがFacebookです。画像や動画、テキストを投稿できる点は他のSNSと共通ですが、ユーザーのライフステージ、年齢層など、ターゲットを詳細に設定して広告出稿ができるという点はFacebookの大きな強みです。

TikTok

10代~20代の若い世代、特に女性ユーザーの比率が圧倒的に高いのがTikTokの特徴です。短い動画を連続して閲覧することができるSNSであり、広告自体におもしろさ、興味深さを持たせた「コンテンツ」として配信することができます。ECサイトでのSNSの活用方法はこちら

まとめ

D2Cビジネスモデルにおいては、なにより消費者との距離や顧客体験を意識しながら商品・サービスを展開する必要があります。

広告についても、従来のマス向け広告から、SNSなどを活用した個人向け広告へと意識を転換して運用していく必要があるでしょう。

ECのプロ」では、ECサイトのプロがECサイトを診断・改善を提案します。D2Cビジネスモデルを展開するうえでのSNS広告運用、SNS運用についても課題解決のお手伝いが可能です。D2CビジネスにおけるSNS運用やSNS広告運用にお悩みがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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