EC事業者は知っておくべき!D2Cマーケティングとは
D2Cマーケティングは、インターネットの普及で手軽にオンラインショッピングが楽しめるようになる中で、独自の戦略を効率よく展開できるモデルとして注目が集まっています。そんなD2Cマーケティングとは、具体的にどのような手法なのでしょうか。この記事では、D2Cマーケティングの特徴や手法、実践するメリット・デメリット、また成功のために注意したいポイントなどを解説します。
D2Cマーケティングとは
D2CはDirect to Consumer(DtoC)を略した言葉で、D2Cマーケティングはモノを製造・生産する事業者が、卸業者や小売店を介さずに自社ECサイトなどを通じて消費者に直接商品を届ける販売方法です。
ロイヤリティやファンの創出を目的として、消費者とのコミュニケーションを効果的に行うビジネスモデルといえます
自社で企画・生産した商品をインターネット経由で販売する形態が多いためECと混同されがちですが、ECは販売チャネルの1つであり、D2Cだけでなく卸売業者や小売店が関与する販売形態も含まれます。つまり、D2CはECの一種と言うことができるのです。また、マーケティングでよく耳にするD2Cに似た言葉にはB2B、B2Cというのもあります。B2Bは企業と企業、B2Cは企業と消費者の間の取引であり、売り手と買い手が明確に示されています。D2CはB2Cと同じと捉えられることもありますが、取引の対象が限定されていないという違いがあります。
D2Cマーケティングの手法
D2Cマーケティングは、顧客と効果的にコミュニケーションを図ることによって隆盛してきた手法です。代表的なツールには、SNSがあります。総務省の「令和4年通信利用動向調査の結果」によると、2022年時点での国内ソーシャルワーキングサービスの利用状況は全体の約8割、利用目的は「従来からの知人とのコミュニケーションのため」が88.6%、「知りたい情報を探すため」が64.5%です。
このように、SNSで情報収集を行う人が多い傾向があるため、顧客とつながるチャネルとして有用なのです。そこでD2Cマーケティングでは、SNS会員、LINE登録などを募り、ユーザーとの関係を構築しながらECサイトへの誘導や商品の購入につなげていきます。また、YouTubeやTikTokなどの動画配信でインフルエンサーに自社商品を紹介してもらう方法や、オウンドメディアを立ち上げ、SEO対策を行った有益なコンテンツを配信する方法などもあります。
オフラインでは、ポップアップショップなどを開催し、販売する事例があります。この場合は、メルマガやSNSで情報を発信し、限定イベントや特典などを併せて準備することで話題づくりを行う手法が多く見られます。D2Cマーケティングは、すぐに購入を促すのではなく、潜在顧客の発掘やファンの育成に重点を置いています。
D2Cマーケティングのメリット・デメリット
D2Cマーケティングは、メリットとデメリットを理解したうえで、自社に合わせて活用することが重要です。具体的にはどのようなものがあるか、見ていきましょう。
メリット
コストを削減し高収益を実現できる
D2Cマーケティングは実店舗がなくても始められるため、多くの投資を必要とせず、リスクが低いことが大きなメリットといえるでしょう。また、自社で直接ユーザーに商品を販売するため、中間マージンが発生しません。そのため、販売価格を抑えることで競争力を高めたり、利益率が向上したりする効果を期待できます。
顧客満足度を高めることができる
自社ECサイトやSNSなどを通じて消費者と直接コミュニケーションを図ることで、ニーズに合う商品やサービスをタイムリーに提供する、フィードバックを受けて改善する、といった対応がしやすくなります。顧客満足度が高まれば信頼性の向上につながり、商品やサービスのファン増加につながるでしょう。
効果的なブランディングができる
D2Cでは、小売店で行われるセールなどに合わせるのではなく、自社にとって適切なタイミングでマーケティング活動を行えます。新商品のリリースに併せてクーポンを配布する、自社の記念日にキャンペーンを行う、会員の誕生日に特典を設けるなど、さまざまな戦略を使えるのもメリットです。
CRMデータを活用できる
ECショップであれば、顧客の名前や性別、住所、購買行動など、さまざまなデータがデータベースに収集されるため、それらを分析し、傾向に合わせた商品を開発したり、関心のある商品を提案したりといったマーケティング活動ができます。
デメリット
新規顧客の獲得に手間がかかる
顧客とダイレクトにやりとりするD2Cでは、卸売業者や小売店の力を借りられないため、自社の力のみで販路を拡大していく必要があります。
大企業でない限り、立ち上げたブランドが軌道に乗るまでには時間がかかると見てよいでしょう。そのため、SNSでの情報発信や広告でのPRなど、地道な努力を継続していかなければなりません。
ブランドの信頼が問われる消費者は、SNSなどで情報を集め、信頼できる商品かどうかを調べる傾向にあります。差別化を図るために安い価格を設定しても、「安くしなければならない理由があるのではないか」と意図せず疑われてしまう可能性があるため、ブランディングの設計を慎重に行う必要があります。また近年は、商品そのものの価値だけでなく、商品を購入することでどのような体験ができるかに価値が置かれる傾向もあります。この体験に対する価値も含めた商品設計が求められるでしょう。
D2Cマーケティングを成功に導くポイント
D2Cマーケティングには、いくつか実践したいポイントがあります。
ブランドの独自性を確立する
ブランドの独自性とは、他社に対して優位性があり、差別化を図れる商品やサービスを開発、販売することです。明確なコンセプトや理念を定め、他社にはない強みや魅力をD2Cで打ち出していきましょう。
ターゲットを明確にする
ターゲット層を明確にすることで、効果的なマーケティング施策を展開することができます。たとえば年代や職業、ライフスタイルだけでなく、趣向や価値観などを共有できる人を顧客として絞り込むことで、商品PRがしやすくなります。
顧客とコミュニケーションをとる
D2Cマーケティングでは、信頼関係を維持するためにも発信力が重要です。企業から消費者への情報提供、コメントの返信、DMの送付など、継続的なコミュニケーションや細やかな対応が求められます。
情報発信の施策としては、SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティング、コンテンツマーケティングなどが挙げられます。
まとめ
D2Cマーケティングはスモールスタートが可能で、顧客とのコミュニケーション力やSNSの発信力によっては収益をあげやすいビジネスモデルです。そのため、競合も多くなることも考慮しておきましょう。
まずはブランドの確立を図りながら、顧客データを管理・分析し、一人ひとりに対して最適なコミュニケーションを行っていくことが大切です。
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