ECショップを構築するためには、かつてHTML・CSSなどの専門的なスキルが必要でした。
しかし近年においては、デザインテンプレートから自分の好きなテンプレートを選択することで、手軽にECショップを開設することもできるようになってきています。
この記事では、ECショップを構築できるプラットフォーム「makeshop」の特徴を、他の類似サービスとの比較を交えながら解説します。
makeshopの特徴
makeshopは、GMOメイクショップ株式会社が運営している日本最大規模のASPショッピングカートサービスです。
手軽にECショップを構築できるサービスとして、2004年から運営が開始されています。
コストパフォーマンスに優れ、カスタマイズなどの使い勝手の良さもあり、SFPホールディングス株式会社の運営する「磯丸水産」や、株式会社吉岡屋の「Wine&Whisky Vin et Bonheur」などでmakeshopを採用しているという事例があります。
以下、makeshopの大きな特徴を3つ紹介します。
集客機能を強化している
makeshopの特徴のひとつに、集客機能が強化されている点が挙げられます。
モール型のECショップではなく、自社で独自にECショップを開設するケースは少なくありません。しかし、そうしたECショップに立ちはだかる壁が「集客」です。
makeshopには、商品ごと・ページごとにディスクリプションを設定することで自動的にSEO設定が行えるSEO設定機能や、業界最多クラスの37サービスのアフィリエイトとの連携により、商品を広く告知し集客に繋げる機能もあります。
また、一度ショップを訪れたユーザーに対して、他のサイトでもショップの広告を表示できる「リターゲティング広告」の配信機能もあるため、リピート購入にも繋げられる可能性があります。
初期費用無料で使える「アイテムポスト」機能は、Yahoo!ショッピング、LINEショッピングなどのサービスにも商品を掲載することで、多くのユーザーをECショップに呼び込む働きも期待できるでしょう。
カスタマイズしやすい
makeshopは、ECショップの構築にあたってテンプレートを活用することができます。
こうしたテンプレートを活用できることは、一般にHTMLやCSSなどWebサイトの構築に関わる知識がなくてもECショップを開設できるというメリットがある半面、カスタマイズの自由度は低くならざるを得ませんでした。
しかし、makeshopではカスタマイズの自由度が高く、一から自社でECショップを構築しているかのように、自社の理想通りのECショップの形に近づけやすいという特徴があります。
BtoB機能が充実している
ECショップにはBtoC(企業と個人間)、CtoC(個人間取引)などもありますが、BtoB(企業間取引)の需要も多くあります。
makeshopでは、このBtoB機能が充実しており、個人ユーザー相手だけではなく、本格的な卸売や会員制ECサイトとしてカスタマイズすることもできます。
例として、法人名入力の機能や、取引先ごとに表示する価格・商品・サービスをカスタマイズする機能、会員グループ機能などがあります。
他サービスとの比較
makeshopはECサイト構築のためのサービスですが、同様の機能を提供する他のサービスも市場には数多く存在します。
次からは、これらの競合サービスとmakeshopを料金面も含めながら比較していきます。
Shopifyとの比較
ECショップの構築サービスとして有名なものに「Shopify」があります。Shopifyは決済サービスが豊富であり、SEOの基本機能が充実しているといった特徴はmakeshopと似通う部分といえます。
一方、料金プランに関しては初期費用がなく、月額料金で利用が可能です。
月額料金はベーシック・スタンダード・プレミアムの3種類がありますが、それぞれ月額33ドル・92ドル・399ドルという価格帯です。ベーシックプランであればおおむね5,000円未満程度でECショップを維持することができますが、決済手数料は最安で3.4%と、makeshopの最安で3.19%と比較してやや高めです。
商品販売という意図でShopifyを見ると、Shopifyは海外ユーザーも多いため、海外向け商品の展開が多い企業にとっても有力な選択肢となるでしょう。
ecforceとの比較
業界最高水準を誇るECプラットフォームの一つとして、「ecforce(イーシーフォース)」が挙げられます。
料金プランには「スタンダードプラン」と「エキスパートプラン」があり、初期費用は「スタンダードプラン」で148,000円(税抜)から、月額費用は49,800円(税抜)からとなります。
料金面で比較すると、makeshopは「プレミアムプラン」で月額費用が11,000円(税抜)、初期費用が10,000円(税抜)からとなっており、makeshopの方が安価に利用できます。
機能面では、ecforceとmakeshopの両方がクーポン機能、再入荷のお知らせ、配送日時の指定など、他サービスでは追加費用が必要な基本機能を標準で搭載しています。
ecforceでは、単品通販に特化したフォーム一体型LPを作成でき、ノーコード編集機能を利用してショップデザインを行うことができます。これにより、コーディングの知識は不要です。
一方で、makeshopでは変数を使用したカスタマイズが可能で、自社に合ったデザイン編集に対応しています。しかし、ecforceでショップデザインをカスタマイズする場合、Liquid言語の知識が必要になります。
makeshopの主要機能
makeshopには、ECショップを運営する基本的な機能が備わっています。
以下には、makeshopで利用できる主要なECショップ構築の機能を解説します。
オリジナルデザインの作成機能
makeshopは、基本的にHTMLやCSSなどのコーディングの知識がなくても、173種類もの膨大な数が用意されているテンプレートを活用して、クリックのみでECショップのデザインを作成・変更することができます。
また、makeshopには「クリエイターモード」と呼ばれる機能があります。テンプレートを使って作成したサイトについても、クリエイターモードを使うことで、自由に記述を変更してオリジナルデザインのECショップを作成したり、レスポンシブに対応したモードでECショップを運営することができます。
レコメンド機能
ECショップでは、ユーザーが関心を持っている可能性の高い商品や、過去に購入した商品と関連のある商品がついでに購入されるケースがあります。
こうした需要を後押しするのが、レコメンド機能です。
makeshopでは、ユーザーの購入履歴・閲覧履歴などから関連性の高い商品を自動で表示する機能や、レコメンドメール配信を行う機能なども備えています。
他サイトへの出品連携機能
ECショップは、ブラウザやアプリからユーザーが自由に閲覧できるものですが、普段使用しているアプリから買い物ができるというのはユーザーにとっても利便性が高く、そのために集客効果も高くなります。
makeshopでは、他サイトへの出品連携機能があり、特に日本国内で多くのユーザーを抱える「LINEショッピング」との連携機能があります。
LINEショッピングとの連携機能を活用することで、makeshopで作成した自社のECショップをまだ知らない新規のユーザーを取り込む可能性も生まれてくるのです。
会員情報メモ機能
ユーザーに対して個別のサービスを提供する必要があるECショップにとって、「会員情報メモ機能」はECショップの運営を補助してくれる機能であるといえます。
この機能は、管理画面にログインした後、顧客の情報欄に自社のメモを登録できるものです。メモの活用方法は様々ですが、顧客のそれぞれの需要に沿ったサービスを提供するための引き継ぎ用メモとして、活用したりすることもできるでしょう。
まとめ
この記事では、ECショップを構築する「makeshop」について、特徴や他サービスとの比較などを解説しました。
makeshopはSEO・集客に強い機能を持ち、他サービスへの連携機能も充実しているなど、様々なECショップの販路拡大を支援してくれる機能があります。
しかし、そうした機能をどのように戦略的に展開し、現状のECショップに反映させていくのかは、各ショップが個別に戦略を策定する必要があります。
「ECのプロ」では、現状のECショップの診断や戦略設計、UI/UXディレクションなどのCVR改善など、ECショップ運営でぶつかることの多い壁に対するサポートを提供しています。
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