はじめに
みなさんこんにちは!ECタイムズのみなつです。
今回は先日、株式会社ボトルシップ 代表取締役社長のSYさんと行った共同セミナーの内容をご紹介します!
SYさんは2012年に楽天株式会社に入社し、ECコンサルタントとして従事され、社内で数々の賞を受賞されてきました。
また、2016年には株式会社バサラスター常務取締役に就任。年間の売上を67%上昇。
2017年に株式会社ボトルシップ代表取締役社長に就任されました。(眩しすぎます......)
SYさんはECのプロでもすでに複数案件でお世話になっていて、楽天のプロとしてご活躍されています。そんなSYさんと、今回は楽天の売上をあげるノウハウセミナーを開催させていただきました!
当日来れなかった人向けに、今回は内容をレポートしちゃいます。楽天で出店するメリットや売上を上げるためのデータや施策の活用法などを話していただきました!
それでは早速セミナースタートです!
売上を上げるための4つのノウハウ
当日のモデレーターは弊社代表取締役の竹中が務めました。まずは、ECを取り巻く状況について竹中から解説いたします!
竹中:
SYさんにお話を伺う前に、EC市場の状況と我々が向き合っているお客様の課題に関してご説明します。
国内のEC市場の概況ですが、ご存知の通り、新型コロナによる「モノ・コト」のオンライン化などの影響を受け、堅調にEC市場が成長しております。今後もさらなる成長が見込まれておりますが、このECの隆盛に乗り遅れぬよう、楽天市場を運営していくにはどうすればよいのでしょうか?
その秘訣について伺っていきたいと思います。SYさん、今日はよろしくお願いします。
SY:
よろしくお願いします。今回のセミナーでは売上アップのための4つのノウハウについてお話しします。
楽天市場の分析と戦略立案のためのいろはとして活用していただけると幸いです。
では早速、4つのノウハウの1つ1つについて解説していきますね!
1つ目:アクセス率・転換率・客単価を分析する
SY:
まず、1つ目のノウハウは「アクセス率・転換率・客単価を分析する」です。
以下の売上の公式を知ることによって何をすべきかわかります。
売上=アクセス人数×転換率(CVR)×平均客単価
竹中:
なるほど。この公式を実際の運営の場で活用すると、どのような見方になりますか?
SY:
この公式の見方を掴んでいただくために、上の事例をもとに解説していきます。
アクセス人数、CVR、客単価を上げるために各々いろいろな施策が考えられますが、よく見てほしいのが表に記載された内訳です。
では、この中で現時点では目立った売上はないものの最もポテンシャルのある商品を見極めましょう。
商品C(上から3つ目)を見てください。CVRが全商品の中だと群を抜いて高く、19%もあります。
「CVR=アクセス人数に対する購入数の割合」
ですので、CVRが19%で一定と仮定しますと、アクセス人数をさらに伸ばすような施策を取れば大きく売上を伸ばせると推察できます。
また、別の視点で見ますと、商品Hはアクセス数が962となっており断トツで高い数値です。しかし、売上は上から8番目です。
なぜでしょうか?
商品Hは特にCVRが全商品で最低(2.49%)となっています。ここにテコ入れすれば売上も着実に伸びるのでは、という仮説が立てられます。
竹中:
なるほど。
ある一つの数字に注目して、まだ伸ばせる余地はあるのか見極めることが大切ということですね。
2つ目:新規顧客とリピーターから施策を考える。
SY:
2つ目のノウハウは新規顧客とリピーターに注目して考えることです。
売上を表す公式は以下のようにも見ることができます。
売上=新規顧客+既存顧客
竹中:
これをどう見れば効果的な施策にたどり着けるのでしょうか。
SY:
下の表を参照してみましょう。各商品2年間の、新規顧客獲得数とリピート率が記載されています。
例えば、一番上の商品は新規のお客様の数もリピート率もトップです。つまり、18%の確率で2年以内にリピートするので、新規のお客様をとればとるほどリピーターも増える、ということです。
数字に意味を見出すことで、それがデータになる。これが鉄則です。
竹中:
お客様の母数を増やす最も分かりやすい施策として広告がありますが、その辺りについてもお伺いしたいです。
SY:
広告もただやればいいわけではなくて、新規顧客とリピーターのどちらを増やすためなのか選択しなければなりません。それを決めたら、今までのデータをフルで活用しましょう。
楽天RPP広告では、以下のように新規の獲得しやすい商品を閲覧可能です。この機能を活用し、広告費の1000%〜1500%にあたる広告料を目指すのが良いでしょう。
竹中:
RPPはデータに基づく施策がとりやすいですね。
3つ目:企画ベースの店舗運営
SY:
3つ目のノウハウは少し角度を変えて話します。
スーパーセールやお買い物マラソンなど、楽天にはいろいろな"企画"があります。
企画では必然的にお客様が集まるので、そこに合わせて出店者は仕込みや対策をする必要があります。例えば、オペレーションやLPを作り込むなどしてイベントに備えていきたいですね。
そして、イベントが終われば次のイベントに向けて施策を打っていく。
下の事例店舗A社の場合ですと、一年で数値(TTL)が伸びたことが分かります。特にイベント中にその傾向は顕著です。
竹中:
「絶好のチャンスを見逃さない!」の大切さがよくわかる図ですね。
Amazonで出店する場合と楽天で出店する場合では施策にどのような違いがでてくるのでしょうか?
SY:
最大の違いは、楽天ではAmazonのように商品ベースで施策を考えるだけでなく、企画ベースでも考える必要があることです。企画期間中には、お祭り状態をお客様に向けてネットページ上で伝える気遣いが大事になってくると思います。
企画に向けてアクションを毎月愚直にやっていくことで、ランキングに入りやすくなります。
すると逆に企画期間外に買いに来ていただけるお客様が増えるので、売上のベースアップにつながります。
竹中:
なるほど!ありがとうございます。
4つ目:商品ベースの店舗運営
SY:
最後のノウハウは、「店舗運営」についてです。企画ベースの施策を先程は強調しましたが、商品軸での店舗運営も重要です。
竹中:
では、商品軸でも売上を作れる仕組みについて伺えますか?
SY:
はい。一般的に全体の売上のうち人気商品が売り上げるのは2割くらいだと言われます。
でも、楽天だと8割をカバーしている場合もあり、人気商品が薄利多売系のものだと利益が十分にあげられません。
そこでニッチで販売数が少ないけど利益の大きい商品を、人気商品との抱き合わせで売ると売上を伸ばすことができます。
竹中:
なるほど!商品軸で考えているからこそできる施策と言えますね!
過去の事例があれば教えてください。
SY:
楽天にいた時ですが、スロージューサーとワインの事例についてお話しします。
スロージューサーを最安値で販売し、商品バリエーションのラインナップを増やすことで、購入層を囲い込めるよう入り口を用意しました。
ボリュームゾーンは意識の高い消費者ですので、この層を広告や検索流入を通して獲得していきました。
すると必然的にユーザーはニンジンジュース用のニンジンが必要になっていきます。
このようにして意識が高いユーザー向けに無農薬ニンジンを販売することに成功しました。
実は、この会社の主要コンテンツはニンジンだったのです!スロージューサーはニンジンの販促活動の一環だったということです。
竹中:
ECでは売りづらい生野菜を、スロージューサーを入り口にすることで売り上げていったということですね。
ワインの方はどのような施策を打ったのですか?同じく食品系で難しいところもありそうですが。
SY:
そうですね。ワインというのはピンからキリまで価格帯の広い商品ですが、担当した企業様は単品通販でおよそ5000万の売上を上げていました。
ワインの市場はライトユーザーが大半を占める中で50〜70代のヘビーユーザーだけの獲得を狙い、他の層には施策をしないという大胆な方針をとりました。
また、ユーザーのほとんどがメルマガ経由で購入していたので、ここにフォーカスしてどう囲い込むかがミッションでした。そこでメルマガ広告を投入し、メルマガ開封ユーザー層からヘビーユーザーを獲得しました。
さらにソムリエや著名人のコメント、ワインの評価を表すパーカーポイントを記載し、ワインの価値を高めてリピーターを増やしていきました。
このようなストーリーを仕立てて購入する流れを組み立てるのが結構重要だと思います。
以上4つのノウハウについてお話しました。
ありがとうございました。
竹中:
SYさん、ありがとうございました。
楽天への出店を検討されている方、あるいは既に出店されている方にとって貴重なノウハウになったと思います。
おわりに
みなさん、いかがでしたか?
実際のセミナーでは、この後にQ&Aと交流会のお時間がありました!
その場での質問や、もっと詳しく聞きたかったという方は、次回セミナーに参加してみてください!
ECのプロでは継続的にこのような有識者の皆様との合同セミナーを企画しています。次回の開催もお楽しみに!
そして、記事を読んでSYさんのようなプロに相談してみたくなったのではないでしょうか?(ですよね?)
SYさんもECのプロでは登録プロとしてさまざまな企業様で活躍いただいています!
SYさんと話してみたい方、相談したい方、ぜひこちらのフォームからお問い合わせください!